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草津日記・続・続

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2012年8月 草津日記・続・続

一昨年、昨年と続けてYの別荘へ行き、白根山、野反湖と主だった見どころはまわった。残るは草津温泉めぐりであろうか?

昨年の秋Yは人間ドッグで胸部異常陰影を指摘され、経過観察で増大傾向があったため、この5月に某がんセンターで摘出術を受けた。経過は良 く、6月末には快気祝いをした。この時に盆休みにまた草津に行くかと聞いたが大丈夫だというので、無理はさせないで私がドライバーになれば何とかなるだろ うと楽観した。Yの顔色はさえなかったが、眼には強さを感じたので気持ちは草津へと飛んで行った。Yとの草津行きも5回目になる。今回は温泉めぐりをした いと言い出した。それもYらしく町の無料の温泉がいいと好奇心がこもっていた。術後3か月では無理かと思っていたので白砂山に登るのは諦めた。

平成23年8月10日 曇り

18:30 Yは寝袋を持って私のクリニックにやってきた。

いつものコースで関越道から長野原街道と進み、0:10別荘に到着。
FM群馬を聞きながら1時間ほどくつろいだ。 雲りのため期待していた満天の星は見えない。思い過ごしだろうかYは術後のためかやや青白く、痩せて元気がない。2:00寝袋へ。

8月11日 快晴

肌をさす陽射しの中、草津温泉の町営駐車場から中心にある湯畑に着いたのは11:00をまわっていた。遅い朝食だったので、予定どうり温泉めぐりを始めた。案内では温泉旅館や民家のあいだに10軒ほどの無料温泉が散在している。

ピーヒャラピーヒャラ ドンドコドン 笛と太鼓の音が真っ青な空にこだまする。祭りがちょうど始まった。湯畑から近い広場に面した「白畑の湯」に来 ている。湯はやや黄白色で少し硫黄のにおいがする。熱くてゆっくりとは浸かれないが、地元のおやじ達は平気な顔で入っている。小窓からはハッピ姿の若者達 が神輿を囲んでいるのが見える。古い木製の浴槽と狭い洗い場にはもうもうと湯気がたちこめていて、10分と居られず外に出た。Yは案の定先に出ていた。風 がなく、陽射しも強く、風呂で熱せられた身体から汗がどんどん出てくる。神輿がいなくなっていた。熱さで繰り出されたのに気が付かなかったようだ。

湯畑に面して小学校の教室ほどの演芸場があり、窓は開けられ、スピーカーから くーさーつー よいとーこー と歌が流れてくる。数人の浴衣姿がうち わを使いながら入場待ちをしている。コンビニで買ったスポーツドリンクを一気に飲みほし、アイスクリームをかじりながら日蔭を探す。気楽で居心地の良い温 泉を予想していたのだが、、、

湯畑から北にのびる小道をYに遅れまいとついて行くと「関の湯」があった。全体で6畳ほどの小さい風呂だ。先客は1名。やはり洗い場はほとんどな く、湯船も4人がいっぱいだろう。熱いが「白畑の湯」ほどではなく、2―3分は入れた。体を芯から熱くする感じだ。汗はとめどもなく吹き出る。上がったと ころでそろそろ帰らないかと誘ったが、Yは温泉のはしごを何軒できるかやってみないかという。私はふっと我にかえり、そうか今日はYの湯治?に付き合って きたんだったなと思いだし、「いいよ」と返事した。厭そうな顔をしていたに違いない。というのも汗で濡れたTシャツがへばりつき、脱ぐのも着るのも一苦労 だったからだ。

この後は頭がボーツとしてはっきり覚えていない。Yに遅れないように細いくねくねした坂をしばらく登り「長寿の湯」に入った。濡れたTシャツは糊が ついたように密着し、もう簡単には脱げなかった。いっそのことシャツが破れてくれたらとさえ思い、着替えを忘れたことを後悔した。湯は熱く、浸かったがす ぐに出た。風呂からあがるたびにスポーツドリンクを飲んだ。すでに500ml.を3本は飲んでいるが、なぜか足りない。

17:30 別荘に戻り、早速弁当を開き、ビールで喉を潤す。しばらくすると体温が下がり人心地がついてきた。Yはいつもより口数が少ない。胸の傷 がまだ少し痛むらしい。 温泉めぐりとは贅沢に聞こえるが、3か所のはしごは少々こたえた。いったいどのくらい汗をかいたのだろうか?お茶とビールをかな り飲んだが喉の渇きはおさまらない。脱水が強く(ひょっとすると熱中症?)なかなか尿意がわかない。19:30頃か、ようやくトイレに行って帰ってくる と、Yは座ったまま壁に寄りかかり、軽くいびきをかいている。さぞかし疲れたんだろうなと思いながら腰かけると、私も急に体の力が抜けるのを感じた。

20:00 眠るのはまだ早い。Yと高校の山岳部の友人Sと3人で行った伊豆下田のキャンプのことを思いだしていた。昭和56年の盆休みのことだっ た。Yが途中で軽井沢に行く約束があるというので、テント場から下田の駅まで送って行った。改札口で列車の出発を待っていると、先ほど到着した列車から何 と山岳部のY田がやってくるではないか。Y田は我々に気づくと眼をパチクリさせながら、どうして皆ここにいるんだよ?と不思議そうに言った。仕事で来たと いう。山岳部3人とYの4人でしばらく奇跡の再会を喜び合った。前夜遅くまで山岳部の友人たちの昔話をしていて、おとなしいY田も話題に上がっていた。し かもSとY田は落語研究会まで一緒だった。

残念なことにSは白血病を患い、4年間闘病の後54才で亡くなった。ただでさえ少ない私の友人はさらに少なくなった。
下田のキャンプから30年経つが、あっという間だったと思うと急に眠気が増してきた。

21:30 気温も下がってきたのでYを起こし寝袋にくるまった。明日の行先は決める前にYは寝入ってしまった。明日は明日の風が吹く。

平成24年5月、Yからの連絡でCT・MRIなどの定期検査では再発は無かったとのこと、温泉めぐりが効いたのだろうか? とりあえず良かった。 登山靴も買ったという。夏は白砂山(2139m)に登れるかな?

よぎクリニック 内科 泌尿器科

與儀實夫